射爆照準器の名称と操作要領


A:反射ガラス(レフレクター)
B:照星
C:保護パット
D:電球収納カバー
E:光量調節ノブ
F:電源コード
G:遮光ガラス出入レバー
H:遮光ガラス収納室
I:遮光ガラス
J:照門
Revi C/12D
※ 光像式射爆照準器では、通常光像の照準器を使用し、故障時の予備手段としてB・Jの照門と照星を使用する。
 使用しない時は、横に倒している。
※ 構造はいたって簡単で、電球から発せられた光が、照準環フィルターを通り、それを反射ガラスに投影する。
※ 反射ガラスは、ガラスと言うよりは板レンズと言うべきか、高度の製造技術が要求されたものである。
 照門と照星も関係だが、上記Revi C/12Dでは手前が照星で奥側が照門となっているが、後期の照準器では
 逆になっている。理由はよく判らないが、ライフル銃を見れば判るが、銃の場合、手前が
照門で、奥が照星となっている。
 私的観点から言えば、照準する際、手前の照星が目に刺さりそうで怖いので逆したと思われる。


照 準 規 正

※ 照準規正を行う目的は、ある距離で異種の機関銃・砲及び照準器(具)が一点
 に集中する点を作り、照準した所に弾が集まるようにすることを言う。

1 照準規正を行う場合、まずジャッキ等を使用し、機体を水平に固定する。
  (操縦席内の水平な所で水準器による水準をとるのがよい。)

2 機関銃・砲のスライド等の部品を外す。銃(砲)身以外の所は空洞にする。


3 機関銃・砲の先端に糸等で十字線を張る。

4 後ろから覗き、機関銃(砲)を上下左右に調整しながら、照準目標が十字線
 交点にくるよう合わす。 航空機の場合、後ろから覗くことが無理なため鏡等を
 利用し銃(砲)口内を上から見ながら調整する。その後、機関銃(砲)を固定する。

  実際には、その後に機関銃(砲)には高角を付ける必要がある
  (機関銃(砲)にはそれぞれ弾道曲線を描いて弾丸が飛んでいく、異種のA・B
  機関銃(砲)がP点で交差するように高角(少し上に向ける)を与える。)

5 同じように射爆照準器も中央に目標がくるように調整する。

6 全て照準規正が終了すると、実際に弾丸が照準器の中央に集まるか実弾を装填
 し点検する。この場合、連発で実施するのがよいが、単発で数回実施してもよい。


※ 照準規正には2通りあり、実距離に設置した標的を使って照準する方法と標的板
  (紙)を使用し照準規正する方法とがある。


※ 通常は、実距離で照準規正するのだが、悪天候等の場合で目標が見えいない
 場合には、補助手段として標的板(紙)を使用する。

照準規正を終了し射撃点検風景
標的板(紙)の一例


照 準 要 領


※ これは地上設置の機関銃の照準環で、対空用
※ この照準具の円は目標機の速度を換算するもので、外側から600km/h、400km/h、200km/hとなっている。
 現在の目標は400km/hで飛行している場合の照準例である。
※ アメリカでは中心円を除き、内側から35マイル、70マイル、105マイルとなっていて、環型及び反射式
 照準器とも共通のようだ。
※ 地上用の照準環の場合、横行(右から左、左から右)する目標に有効となるように設計されている。
※ この飛行機をマウザ砲(MG151/20mm、初速695〜785m/s)で射撃する場合 
※ 目標機までの距離:目測で600m、目標機の速度:目測で400km/h
1 照準環に目標機の速度を換算し、その位置に目標機を合わせる。
2 飛行方向を円の中心にもっていく。
3 固定射撃か追随射撃か(この場合固定射撃とする。)
  (固定射撃:銃の方向を固定し、弾幕をつくり、その中に目標機を進入させる方法)簡単、効果的
  (追随射撃:目標機の飛行に合わせ追随しながら射撃する方法)熟練を要する。
4 発射!弾は円の中心に、その中に目標機が進入し、命中となる。
※ これを当初から照準環の中央(0・0)に目標を捉えて射撃した場合はどうなるか
1 射撃をしても効果がない。理由は射距離が遠い(1400m)場合、弾は1秒間に約700m飛び2秒後に目標機
 の位置に到着する。しかし、目標機は2秒後には、その位置から約110m先に進んでいることになり、当たらない。
2 しかし照準(0・0)でも目標機の射距離が近い場合(500m以下)には、中央付近で当たる場合がある。
3 目標機の先を照準する。すなわち未来修正量を取るということである。
照準環の速度換算(円)は、国・機関銃・砲の性能、対戦する目標機の速度により異なる。


※ 環型照準具や望遠鏡照準具から光像式に換わって照準するという動作は格段
 と楽になったとは言え、やはりまだ、目標機を照準し射撃する場合、目標機の速度
 目標までの距離、搭載
機関銃・砲の初速有効射程等が関係してくる。
  パイロットの感がたよるのは、
環型照準具や望遠鏡照準具と変わっていない。
 右はRevi C/12Dのレチクルだが、速度換算の円を線に置き換えているが基本
 的には地上用の照準環と要領は変わらない。
※ 戦闘機が射撃する射程は、目標機までの距離500m以下だったと思われるが、
 小型機の照準に慣れていた日本のパイロットにとってB−29のような大型爆撃機に
 は、距離の算定に狂いが生じ、当たらない等の事象が発生したのもうなずける。

 (当たらない原因は、目標が大きいため、機関銃・砲を発射すべき距離を誤り、それ
 より遠方で射撃したためと思われる。) 
※ 激しく動き回る戦闘機同士の戦闘では、照準は著しく困難を極めてと思われる。 
aaa26570さんの提供によるRevi C/12D写真


射 撃 要 領
※ 目標機の背後に位置し射撃する場合には、左図ように照準する。
  (自機は目標機と速度が同じか、それ以上) 

※ 左の図のように照準し、発射ボタンを押す。
  (距離が近い場合は中央(0・0)で目標を捉える。)