製造番号を読む(海軍計器編)


 海軍計器の製造番号の特徴

※ 一番最初の番号: 当初、年号に関係あると考えていたが、年号とは関係がないようだ。
   (昭和、皇紀、西暦全て無関係)
※ 製造会社が異なった場合においても、同じような番号形態で番号を付与
※ 製造会社に関係なく、完成品を納入・検査時に製造番号を刻印したと考えられる。 
※ 海軍機同様の製造番号を使用
完成した計器順又は検査を終了した順に番号を付与
  (型式が異なっても、同じ一連番号から番号を取得)  


  

 参 考

※ 海軍機年間別製造数:  17年:3418機、18年:7780機、19年:13200機、20年:6105機
※ 昭和元年〜20年までの間の総生産数: 40750機
※ 1.5基準: 航空機2機に対し3基のエンジン割当基準による。


 

1 製造会社が一社単独の場合

計 器 名 製造年月 製造番号 製造会社
航空羅針儀2型改 不明 22157 東京航空計器株式会社
航空羅針儀2型改 15.10 31435 東京計器製作所
航空羅針儀2型改1 不明 34564 東京計器製作所
航空羅針儀1型改 14. 2 24630 東京計器製作所
航空羅針儀1型改 18.10 1435 東京計器製作所


※ 東京航空計器株式会社と東京計器製作所は同一会社
※ 装備機種約15000機×1.5=22500個(最低16000個〜20000個製造したと考えられる。)
※ 上記の34564番は、


横河電気製作所 製造年月 製造番号 備   考
92式羅針儀 不明 617458 96戦の全盛期頃使用
92式2型羅針儀 不明 303089 303089 30:昭和13年製か?
不明 304328 304328
13.12 8304950 304950 8は後で入れた数字?、1938年
15.11 095894 395894 0は3の間違いでは?
17. 9 4033 400033 40後の00を入れていない。
不明 400187 400187
17. 9 401820 401820
不明 403488 403488
不明 404117 404117
同じ型式の計器&製造会社も同じ、30&40は型式の違いではない。年号の違いでは?
30:昭和16年製、40:昭和17年製
昭和15年を境に6桁となる。


2 製造会社が複数の場合

計器名 製造年月 製造番号 製造会社
水平儀1型 不明 300840 三菱電気株式会社
水平儀1型 不明 302424 田中計器製作所
水平儀2型 不明 37261 37261 東京航空計器株式会社
水平儀2型 不明 41488 41488 東京航空計器株式会社
水平儀2型 不明 42773 42773 東京航空計器株式会社
水平儀2型 不明 470975 東京航空計器株式会社
水平儀3型 不明 402019 東京航空計器株式会社

1型・2型に共通の3があり、しかも会社を異にしても同様の数字である。2型・3型に共通の4がある。

計 器 名 製造年月 製 造 番 号 製造会社
1号速力計3型 13. 8 8366 8366 田中計器製作所
1号速力計4型 14. 7 11992 11992 田中計器製作所
速度計3型 15. 4 15104 15104 田中計器製作所
速度計3型 16. 6 20793 20793 田中計器製作所
速度計3型 不明 31380 島津製作所
速度計2型 不明 206020 葛研究所
速度計3型 17.10 208566 38566 田中計器製作所
速度計3型 不明 210391 40391 田中計器製作所
速度計3型 不明 211619 41619 田中計器製作所
速度計3型 不明 406524 66524 田中計器製作所


※ 田中製作所の場合: 1号速力計も型式が変わり3型、4型、
                4桁・5桁の数字はいままでの製造数がそのまま製造番号と考えてよいだろう。
※ 葛研究所の場合:  田中の製造番号と近い番号がある。(葛研究所は田中の下請会社(完成品を納入)
              ではないか)
※ 島津製作所の場合: 新しい番号の3を付与されている。
                5桁の番号からして、昭和16年頃からの製造ではないか?