館長あいさつ

  開設にあたって、私のような旧日本軍の航空計器を中心に収集している者が日本全国津々浦々に存在し、しかも、その人達がインターネットを駆使し、情報交換をしているとは到底思えないのですが、確かに少数ながら収集家は存在している。収集対象となる旧日本軍の航空計器は国内はもとより海外においても数が少なく、しかも高価、入手困難、休眠状態が長く続いた。その他にパソコンにのめり込み、それにお金をつぎ込み続けたためか、収集家仲間ともだんだん疎遠になってしまっていた。

 そんな収集仲間に対してお詫びの意味を含め、当ホームページ開設に踏み切った。船津航空計器博物館は、航空計器等に関する
情報を交換する所として、また、新たに収集される方、現在収集している者等の参考資料(データベース)になればと思っています。なお、船津航空計器博物館は画面上のみ実際には存在していませんのであしからず。
平成4年頃書いた油絵(完成までに6ケ月要した力作?)


航空計器の歴史


 航空計器の歴史は、そのまま航空機の歴史でもある。
 航空機の進歩・発展に伴い、それに追随するかたちで計器も進歩・発展してきた。
 計器の調査・研究をするには、航空機を調査・研究する必要がある。
 当初、日本での航空計器は、輸入機に付属していた計器の模倣から始まっている。
 日本独自とは言えないかもしれないが、外国製の計器をベースにし、改良を加え、発展してきた。しかし、大戦も終わりに近い頃には、明らかに当時現用機だったアメリカやドイツの航空機用計器の模倣が顕著に見られる。



航空計器はいずこに

 国内から見つかる計器のほとんどは、古い機体の物が多く、陸軍では97式戦、海軍では96艦戦以前の計器が主である。
 それは、大戦前後にスクラップ化された機体から取り外した物なのだろう。しかし、時計とか比較的小さい、実用性の高い物については、終戦時個人で持ち帰った物なのであろうか、現在でもまだ多く見ることができる。

 大戦中の主要な航空機については、終戦時、全てに近い航空機は焼却・スクラップ化され、一部が連合軍に持ち去られた。
 そのためか、国内ではそれらの機体の計器を見ることはできない。しかし、終戦の段階では、計器製造会社、航空機製造会社及び各航空基地の倉庫等には相当の数の計器があったと思うが、処分されてしまったのだろうか、今まで大量に見つかったと言う話は聞かない。

 以前、名古屋あたりで十数個見つかったと聞いたことがある他は皆無である。
 当時、終戦のどさくさの中で、個人の収集の目的ために計器を取り外した者は皆無であったにちがいない。
 生活することがやっとの時代背景からか、日本人らしいと言えば日本人らしい。
 当博物館に記録されている物以外にも、多くの計器の種類が存在していただろうが、今となっては見るすではない。



マニアの世代交代

 どの分野でも起こりうることだが、何十年周期というかたちで、マニアの世代交代現象が起こり、だんだん時代が進むにつれ、いつかは無くなってしまう物なのでしょうか。
 平成3年頃からアメリカで、かなりの数の計器が売買の対象として、売りに出されていた。

 理由としては、50数年前、太平洋戦争中または日本に進駐していた時に戦利品として母国に持ち帰った者、アメリカに大量の捕獲航空機を持ち帰った後にスクラップ処分にされた航空機から取り外した者等が、長らく自己のコレクションとして保管してきたが、世代の交代時期と言うか、年齢的にも亡くなられる方が多く、その遺族が収集品を処分したためか、かなりの数が市場に並んだと考えられる。しかし、その収集品の一部は不要品として、ゴミ同然の扱いで捨てられた物も多かったのもと思う。
 偶然にもその時期に居合わせたため、多くの資料を収集することができ、それをベースに公開している。



情報の共有化

 
多くの時間と労力を費やした情報公開している私に対し、「どうにかすればお金になったっものを」とか「軽率な行動」という声もある。
 多くの情報・資料を持って自己満足すれば良かったのか。それを桶まで持ち込めばなお良かったのだろうか。
 同じ道を歩む次の人がまた最初から始めなければならない。実に無駄な行為だ。

 
同じ興味を持つ次の人が、これを受け継ぎ・積み上げ・更新してもらえば良いと考えている。

 個人が作成した多種多様な情報を保管する施設・場所が必要と考えている。近い将来設置されなければならないと思う。
 現在では、ある分野で、情報公開していた人がいなくなれば、それがどんなに重要なものであってもそのホームページは消えてしまう。
 誰でもが閲覧でき、新しい情報を発見したならば、その情報に追加していく、そんな組織も必要だろう。将来そんな環境になることを願う。



※お願い※

  不鮮明な計器写真・計器板(盤)または作図から計器及び計器板(盤)を新たに製作・再現している。
  再現したものが正確という自信はないが、参考程度にはなるものと思う。
  見にくい写真を虫眼鏡を使って判別していること、総てのデータは保管していた記録を短時間で整理し直したこと、一部の内容が頭から消去してしまった等のため、誤った記述がある可能性が十分ある。もし(たぶん)あれば、是非ご教授願いたい。
 また、紹介されたいない計器等をお持ちの方、場合、譲ってくれとは申しませんが、よろしければ
写真と銘板に記載されている名称、製造会社、製造番号、製造年月等の情報をお教え願えればとも思っています。HP上で紹介するのはもちろんのこと、計器の製造番号がどうしても解けない私のため、解くためのはもっと多くの計器の製造番号(銘板に記載されている事項)の情報が必要なのです。

編集後記