海軍用射爆照準器


鏡 筒 式 射 爆 照 準 器
名   称 製造会社 用  途 使 用 機 種 備   考
写真なし オルジス式射撃照準器 日本光学 闘機用 〜90式艦戦
戦闘機用
オイジ−固定機銃照準器 96艦戦
※ 輸入品、後に日本光学が国産化、レンズ有効径38mm、焦点距離100mm、倍率1倍、視界20度
※ オイジ−固定機銃照準器の名称で昭和16年頃まで製造されていた。
※ オイジ−(OIGEE)とは、ドイツ光学機器メーカーの名称鏡筒式・Revi 3 シリーズ等の光学照準器を作成した。)
95式射爆照準器 日本光学 降下爆撃用 96式艦爆
99艦爆11型

零観

降下爆撃用
※ オイジ−固定機銃照準器と95式射爆照準器は、ほぼ同様のものと思われる。
※ 95式射爆照準器は、機銃射撃及び降下爆撃に使用できるよう目盛りを改良したもの。
※ 1目盛は投下高度650m、降下角60度で海面を見た時、その間隔がそれぞれ10mになるよう設定されている。
99式射爆照準器 日本光学 降下爆撃用 99艦爆22型 昭和14年採用 
※ 99式射爆照準器は、95式射爆照準器の不備事項を改良した照準器
※ 改良点: 防曇処置(鏡筒内を完全密封、熱線による氷結防止処置)
写真なし 仮称1式1号射爆照準器 日本光学 降下爆撃用 晴嵐
 99式射爆照準器に先端にプリズムを付け水平儀と関連降下照準角を自動的に調定し
満星照準を可能にしたシステム照準器
写真なし 1式2号射爆照準器 日本光学 降下爆撃用 不明
原理は1式1号と同様だが、鏡筒式ではなく映像式で外観は98式射爆照準器に似る。
2式射爆照準器1型/
2式1号射爆照準器
1型
不 明 降下爆撃用 彗星12型
彗星33型
昭和18年採用
 管制器・計算機・照準具等の機械からなる照準具セットで高度・速度・水平状況等を入力し、
照準具先端にあるプリズムの角度を変えることにより命中精度を向上させるシステム照準器



映 像 式 射 爆 照 準 器
名   前 製造会社 用  途 使 用 機 種 備   考
98式射爆照準器試製品? 富岡光学? 戦闘機用 零戦? ※ 輸入Revi-2bまたは試作品
この段階では保護パットはまだ取り付けられていない。
98式射爆照準器初期型 富岡光学 戦闘機用 零戦 保護パットが取り付けられた改良品
国産化への試製段階の物と思われるが、光学照準器不足を補うため実際の戦闘にも使われた。
この照準器は、大戦初期の零戦から回収された照準器で、一部破損していたが忠実に再現したもの。

Photo:Jim Underwood Jr.
98式射爆照準器1型 富岡光学
千代田光学
戦闘機用 零戦、紫電、紫電改、雷電、
月光
十字線と円を組み合わせた 光像

昭和12年採用
98式射爆照準器2型 日本光学
東京光学
降下爆撃用 彗星11型、瑞雲、東海 中央に小さな円、周囲に方眼目盛
3式1号射爆照準器 不 明 降下爆撃用 銀河

未完成
3式1号射爆照準器1型 不 明 降下爆撃用 晴嵐
装備予定機(99艦爆、極光
銀河、流星、彩雲、彗星、東海)
3式1号射爆照準器1型改1 昭和18年採用
※ 反射ガラス自動修正
※ 3式1号射爆照準器1型改1は、3式1号射爆照準器1型の量産、いずれもジャイロ式
「三式一号射爆照準器の系譜」/文 木村益雄 氏 Scale Aviation 大日本絵画を参照
3式1号射爆照準器3型?
(3式急降下爆撃照準器)
不 明 降下爆撃用 零戦
紫電改後期
3式小型射撃照準器 空技廠
理研科学
機械製作所
戦闘機用
旋回銃用
月光(夜戦)
零戦
雷電
彗星
昭和18年採用
※ 上向砲用照準器厚木、横須賀空で零戦、彗星、雷電を改造し斜機銃1門を付けた夜間戦闘機
※ Revi25Bを改造し使用した。
17試射爆照準器 富岡光学 戦闘機用 電光、震電(予定)
4式射爆照準器1型
(初期型)
戦闘機用 零戦52型丙以降
紫電改後期
4式射爆照準器2型
期型)
降下爆撃用

Image: Kunihiko Sato
4式射爆照準器1型
(後期型)
戦闘機用 紫電改後期
4式射爆照準器2型
(後期型)
降下爆撃用
※ Bf109E-7及びFw190A-5に取付けられていたReviC/12D を参考(模倣)に製作
※ 初期型と後期型の異なる点は、予備照準器が初期型は可動式、後期型は固定式の違い。

Image: Kunihiko Sato
試作角速度射撃照準器
4式射爆照準器3型
富岡光学 戦闘機用 零戦52型甲で試験
(雷電・紫電搭載予定)
※ ジャイロ式
※ 同様の照準器をドイツから持ち込んだ形跡がないため米戦闘機用のK14又は英GM-UMk2を参考にした可能性が高い
※ 射距離、翼幅を装定するダイヤルが付属し、B−29等の大型機に対処するため作られた。
※ 大型機に対しては、距離の感覚が判りにくいため射撃しても当たらない等の事象がある。

Image: Kunihiko Sato
4式小型射撃照準器 榎本光学
(富士写真)
旋回銃用 銀河
電光
 遠隔操作用照準器

 昭和19年3月採用


日 本 海 軍 の 爆 撃 照 準 器
 海軍には、爆撃照準器と射爆照準器がある。
 大正10年:センピル・ミッションには新兵器を携行し、組織的な講習を行い、各種航空術、整備術、航空用兵等全般にわたった。
この講習により、海軍航空は揺籃期を脱し、じ後の躍進の第一歩を踏み出した。
 爆撃照準器は、センピル・ミッションの伝えた機構式のものを国産化し使用することになる。これを「92式爆撃照準器」として制式採用した。
しかし、この92式爆撃照準器は精度不十分な所があった。
 昭和に入ってドイツから鏡式の照準器を入手し、各種試験を実施した結果、
遠近全同調式のゲルツ社製ボイコフ式照準器を採用した。
 この照準器は気泡水準器が使用され、飛行機の操縦、動揺の影響を受けやすい欠点があり、
その操作には熟練を要した。
 これを基に国産した「
90式爆撃照準器」を制式採用し、大戦終了まで使用し続けた。
ジャイロで垂直を出す照準器が研究されたが、当時の日本の工業技術では小型ジャイロは作れなかった。
  96式陸攻撃22型の場合、正副操縦席の計器板上部に97式雷撃照準器改1が、爆撃手の所に92式2号爆撃照準器90式1号・2号爆撃照準
が装備されていることから、1式陸攻、連山/深山等の爆撃機にも同様の装備があったと推測される。
 大型機の爆撃方法は、もっぱら水平爆撃が主で、急降下等による爆撃は単発機にまかせている。
目標を爆撃する場合、通常92式2号爆撃照準器で目標の発見、目標までの進入方向及び機体の傾き修正等に使用し、最終的な爆撃は 90式1号
2号爆撃照準器により実施した。
雷撃照準器は魚雷攻撃に使用するため、水平爆撃のような精密さはあまり必要なく、それでも自機の高度・速度は必要なようだ。
雷撃とは魚雷攻撃で、爆撃とは水平爆撃のことと理解している。)


爆 撃 照 準 器 ( 垂 直 望 遠 鏡 式 )
名   前 製造会社 用  途 使 用 機 種 備   考

90式爆撃照準器
ゲルツ・
ボイコフ
水平爆撃用 99式艦爆11型彗星
※ ボイコフ式爆撃照準器を国産化したもの。
※ これは昭和2年、ドイツから入手したもので、製造したのは、オーストリアの
  ゲルツ・ボイコフ(Goerz-Boykow)社
であった。
※ 遠近全同調式、気泡水準器使用
90式1号爆撃照準器 日本光学 水平爆撃用 彗星、97艦攻、天山、1式陸攻
銀河96式陸攻、 (晴嵐)
 
2点同調式、気泡式、時計発條式、鉛直保持入力
90式1号爆撃照準器2型 日本光学 水平爆撃用 零式水偵11型
90式1号爆撃照準器2型は、昭和12年から17年まで毎年改良を加え改1〜改5まで存在する。
90式2号爆撃照準器 日本光学? 水平爆撃用 1式陸攻96式陸攻、天山
深山
※ 90式1号爆撃照準器は、独 ロトフエ C 爆撃照準器のコピー品であるが、数々の改良が加えられ外観が少し
  異なっている。
※ ロトフエ C 爆撃照準器の製造会社はオーストリアのゲルツ・ボイコフである。
※ 二点同調式、転輪光像、十字線式、時計発條式、鉛直保持入力
写真なし 試製96式爆撃照準器1型 日本光学 水平爆撃用 実用機の使用なし。
※ この照準器は変高同調式の自動投下式照準器で、光学系は90式と同様のものを使用した。

試製96式爆撃照準器2型
東京光学 水平爆撃用 実用機の使用なし。
※ この照準器も1型と同様に光学系は90式と同様のものを使用した。
写真なし 13試爆撃照準器 空技廠 水平爆撃用 実用機の使用なし。
※ 13試大型攻撃機(深山)専用の大型爆撃照準器として開発開始、しかし深山は輸送機に転用されたため開発を中止した。
※ 試製96式爆撃照準器1型・2型の成果を引継ぎ、製作上の誤差を減少するため機構部を大型化したもの。
写真なし 14試爆撃照準器 日本光学 水平爆撃用 実用機の使用なし。
※ 昭和13年秋、ドイツから購入したBofeT爆撃照準器及び試製96式爆撃照準器を実用試験した結果、着弾精度は90式と大差
  は無かった。

※ この試製96式には、爆弾の自動投下が可能な点及び的艦が変速した場合での対応できる利点があったため、14試爆撃照準器
 として試作を継続することとなった。

※ 100台の試作を日本光学に発注したが、同社は90式爆撃照準器の製造に追われているため、製作半ばで打切られた。
写真なし 16試爆撃照準器 空技廠
日本光学
水平爆撃用 実用試験中に終戦
※ 昭和16年6月、13試爆撃照準器を改めて16試として試作を継続した。
※ 16試は、13試と異なり、転輪水平器を使用する変調同調式の照準器であった。
※ 試作1号器は昭和20年5月に、試作2号器は6月にそれぞれ完成し、疎開先の三沢基地で終戦まで実験が続けられた。
※ 16試爆撃照準器の三沢基地での実験時、18試・19試左右爆撃装置を組み合わせた実験の併せて行われた。
※ 18試左右爆撃装置は零式自動操縦装置と19試左右爆撃装置は17試自動操縦装置と連動し、ノルデン式照準器と同等の性能
  を
ねらった意欲作であった。
※ 倍率2.5倍、視界25度、使用高度:1000〜10000m、相対速度範囲:120〜350ノットであった。

1式1号爆撃照準器1型
日本光学 水平爆撃用 1式陸攻
97式艦攻
昭和18年採用
※ 90式爆撃照準器を基礎に転輪水平器を取付ける試作を開始した。
※ 昭和18年4月、完成品を南方の前線に送った。
※ 二
点同調式
転輪光像十字線式発條式直保持入力
写真なし 17試爆撃照準器1型 空技廠 水平爆撃用 なし
※ 1式1号爆撃照準器を大型化したもの。
※ 試作途中にて中止した。
写真なし 17試爆撃照準器2型 空技廠 水平爆撃用 なし
※ 2型は遠近・左右照準は別々にし、それぞれの者が照準する方法を採用した。(2人照準式)
※ 人工水平器に自由転輪水平器(ジャイロ)2個使用する照準器であったが、途中で試作を打切った。
写真なし 式1号爆撃照準器
(18試爆撃照準器1型)
日本光学 水平爆撃用 1式陸攻
※ 1式1号爆撃照準器を前線に送り出した直後から、昼間爆撃が困難な状況が発生した。
※ 
90式及び1式1号は昼間専用(夜間爆撃不可)にため、夜間爆撃可能な照準器の要望が前線から挙げられた。
※ 照準方法を光像式に変更したものを18試爆撃照準器1型として試作した。
※ 
昭和19年1月、実験結果は良好な成績だったため、4式1号爆撃照準器として制式採用された。
※ 4式1号爆撃照準器には、1型及び2型があったようだが細部不明
式1号小型爆撃照準器
(19試爆撃照準器)
空技廠
(富岡光学)
水平爆撃用 天山に搭載予定
※ 夜間低高度爆撃照準器(50m〜500m)
※ 昭和19年2月試作品完成、同年3月から宇佐航空隊を基地とする夜間低高度爆撃訓練の機会を活用し、実用試験を実施
※ 良好な成果を受け、直ちに4式1号小型爆撃照準器として制式採用された。
※ 富岡光学で生産準備体制中に終戦となってしまった。
写真なし 91式機上観測鏡 観測用? 94式2号水上偵察機


爆 撃 照 準 器 ( 機 構 式 )
名   前 用  途 方 式 使 用 機 種 備   考

CSBS1
水平爆撃用 機構式 不明
※ 1916年、イギリスで開発された照準器で、コース設定爆撃照準器
  (CSBS)と呼ばれ、当然、日本も購入し、以降の爆撃照準器の基礎となった。
※ この照準器はウインペリス型とも言われていた。

92式爆撃照準器
水平爆撃用 機構式 94式水偵
※ 水偵と言う名称だが、爆撃能力をもっているとは意外である。
丸メカニック「九四式水上偵察機のイラストを参照した。

92式2号爆撃照準器
水平爆撃用 機構式 96式陸攻
1式陸攻
Photo:Jim Underwood Jr.
92式2号爆撃照準器改1 東京航空計器叶サ

97式雷撃照準器
雷撃用 機械式 97艦攻
天山

97式雷撃照準器改1
雷撃用 機械式 96式陸攻22型
銀河
写真なし 零式雷撃照準器1型改 雷撃用 機械式 97艦攻


90式爆撃照準器の爆撃方法
1 照準器に弾道上の諸元をあらかじめ装定
2 航行する目標艦の真上から接近
3 照準器の中央縦戦の上を目標が流れるよう飛行機の針路を決める。
4 目標が照準器の中央(気泡)に入った時、時計を発動する。
5 その後、目標はいったん照準器の中央から前方に離れ、次いで中央に戻ってくる。
6 中央に戻った瞬間、爆弾を投下する。
 命中精度の決定は、照準者、操縦者とも相当の技量と連係が必要とされた。  
特に照準者は、専攻科学生、特修科練習生を採用し水平爆撃の特別教育を行った。