2 零式艦上戦闘機が使用した計器

 零戦を手がけるにあたり、考証にはかなりの時間を費やし、慎重に作業を進めたつもりではあるが、誤り等があればご指摘ください。



零戦11型・21型
零戦 21型 計器板 説明図
No. 計 器 名 備 考
水平儀2型 -
旋回計2型 -
混合比計 -
時 計 -
1号速度計3型 -
92式羅針儀2型 -
昇降計1型 -
2号耐寒油圧計1型 -
2号回転計3型 -
10 航路計7型 -
11 電路接断器 -
12 高度計3型 -
13 1号吸入圧力計2型 -
14 1号油温計1型 -
15 1号シリンダー温度計1型 -
零戦 21型 計器板 CG
2010年3月24日
3DCGによりコックピット等復元、詳細は船津3D工房
零戦32型・22型
混合比計・吸気温度計を除き、新たに排気温度計を取り付ける。
零戦52型52型甲
※ 左側の補助計器板及び最下段の酸素調節器に変更が見られる他、32型・22型と同じ。
※ 胴体機銃は左右とも7.7mmと11型以来変更してない。
零戦52型乙・52型丙
※ 52型乙になると左機銃は7.7mmのままだが、右機銃は13mmに換装された。
※ 13mm換装により、操縦席内側まで伸びてきた機銃により回転計が見にくくなるため時計の位置に移され
 た。そのため時計は左補助計器板に取り付けられた。
※ 52型丙になると左7.7mm機銃を取り外し、胴体機銃は右の13mm機銃だけとなった。
零戦62型(中島23186号機)サンディエゴ航空宇宙博物館
※ 52型丙と同様に胴体機銃は右の13mm機銃だけである。
 回転計は1型が取り付けられているが62型には1型改1が取付られた可能性がある。
零戦52型丙または零戦63型?(中島82729号機)
 琵琶湖から引き揚げられた機体で、論争の末、52型丙に落ち着いたらしい。
 空洞の所には、1号油圧計4型(メタノール)、気化器温度計を取り付け予定と思われる。
※ エンジン変換予定だったためか、回転計1型から1型改1に変更している。
※ 琵琶湖から引き揚げられた直後の写真を見たとき、右上の空洞の所に計器が取り付けられていた。
 計器の種類までは特定できなかった。この計器がなんだったのか気になる所ではあるが判らない。
引き揚げに携わった方またはお判りの方の協力を願えれば幸いなのですが・・・。
零戦54型または64型
※ 零戦54型または64型には胴体機銃は全て取り除かれている。
※ エンジンを栄21型から金星62型に変更し、回転計は1型改1に、吸入圧力計は3型に、速度計は
 3型改1又は2にそれぞれ変更された

※ 現存機または実物写真がないため定かではないが、計器板の系列をたどるとこのようなになった。
※ 52型甲以前の計器板のように、回転計が右上に戻った可能性もあるが、あえてそのままにした。
※ 計器板も木製であった可能性はかなり高いが、これもあえてアルミ製にし作成した。
推定による計器板であるので参考程度に願いたい。
零戦53型?栄31型(水メタノール噴射装置付)
2号油圧計4型(メタノール)、1号気化器温度計1型装着
もし量産されていれば、このような計器板の零戦が飛んでいたかも?
推定による計器板であるので参考程度に願いたい。

計 器 名 11・21型 32・22型 52型 54(64)型 備考
羅針儀 92式2型 92式2型 92式2型
水平儀 2型 2型 2型
旋回計 2型 2型 2型 2型改
速度計 1号3型 1号3型 1号3型 3型改2
高度計 3型 3型 3型改1 3型改1
昇降計 1型 1型 1型
航路計 7型 7型
時計
回転計 2号3型 1号1型 1号1型
吸入圧力計 1号2型 1号2型 1号2型 3型
シリンダ温度計 1号1型 1号1型 1号1型
排気温度計 なし なし
油温計 1型 1型 1型
油圧計 2号1型 2号1型 2号4型
燃料計
燃料圧力計 3型
大気温度計
混合比計 7型 1型 なし
前後傾斜計 2型 2型 2型
メタノール圧力計 なし なし なし
酸素流量計 2型 2型
参考資料

凡例  ○: 装備されているも型式等不明