31 陣風が使用した計器


制作:船津3D工房
外枠上:左から電路遮断器、不明計器(レーダ指示器?)、羅針儀、酸素流量計(3針新型)
     作動油圧力計、脚指示器(紫電改のを流用)
外枠左下:燃料計2個
中央前:旋回計、水平儀(新型)
中央後:上段左から排気温度計、回転計、速度計、不明計器
     中段左からシリンダー温度計、ブースト計、高度計、航路計
     下段左からメタノール圧力計、圧温計(3針)、定針儀(新型)、昇降計、大気温度計
陣風のモックアップ(実大模型)の写真
計器板外枠は垂直に取り付けられ、内側計器板は前へ傾斜しているのが写真で判る。
 不明計器には複数の縦線、1本の横線がある。
 これは、レーダーの指示器(ブラウン管)と思われるが、何処の資料にも掲載されていない。
 これをレーダー表示部だという理由として、川西において昭和20年6月にFK−3電波警戒機
が完成している。重量は60Kgとやや重たいが、昭和19年6月の第1回モックアップ審査時に
試作中のFK−3電波警戒機の指示器のみ取付た可能性はないだろうか?
 その可能性は十分あるのではないか。
計 器 名 型 式  備 考
羅針儀 0式羅針儀2型 または2型改1
水平儀 仮称3式 または5型
旋回計 2型 または2型改1
速度計 3型改2
精密高度計 2型 または2型
昇降計 2型 または3型
航路計 1型
時計 秒時計1型 または1型乙
回転計 1型
吸入圧力計 1号3型
シリンダー温度計 1号
排気温度計 1号
滑圧、滑温、燃圧計 15試
油圧計 2型
油圧計 4型
作動油圧力計 1号2型
油圧計 2号4型 メタノール
燃料計
前後傾斜計 2型
酸素流量計 2型改
参考資料 「幻の戦闘機」(碇義朗著)
凡例  ○: 装備されているも型式等不明
※ 参考資料 十八試甲 試作戦闘機「陣風」の開発記録 ※
○昭和17年   : 海軍から川西に対し、高々度甲戦闘機(J3K1)試作の指示
○昭和17年8月 : 設計に着手
○昭和18年初頭: 高々度用過給機に問題多数発生、試作一時中止
○昭和18年夏  : 2段2速過給機付のエンジン「誉」が完成の見通しがつき、海軍は
            あらためて17試作陸戦にかわる18試甲戦(J6K 1)の試作を指示
○昭和19年6月 : 第1回モックアップ審査
○昭和19年秋  : 海軍試作機整理により、高々度用戦闘機の試作は三菱「烈風」
           一種に絞られ、「陣風」の開発の中止が決定した。