日本海軍「短12cm自走砲」
2017年版 
ネット上で見つけた短12cm自走砲の写真に触発され2011年版の再検証してみた。
2011年版では一般に言われてる砲塔最後部の箱に弾薬を載せてみた。
一部訂正箇所を加えると弾頭と薬莢は分離型である。
短12cm砲の大きさを考慮すると戦車内で装弾するのは困難であると考える。
車外の力を借りないと射撃できないと思える。
 
  ネット上で見つけた短12cm自走砲
   2011年以来、放置状態であった自走砲を再度調査
   することにした。
   砲塔後部に取付られた箱状のものは、かなり丈夫
   そうに見え、重量物の積載が可能のようだ。
 同じくネット上で見つけた短12cm砲
  地上に設置するため砲自体はコンクリートで固定
  Aは弾薬装填用のレールで弾薬を載せた後、装填棒
  で薬室に送り込んだのだろう。
  後部の凹みは弾薬を載せる時に手を挟まないように
  考慮されたもののようだ。
 
 
2011年の時と同様に「弾薬の装填は砲塔後部から行っていた」の考えは変わらない。

弾薬も格納しているとすると砲塔の厚みと同じ程度にしなくてはならず、それを回転または取り外すことは
かなり大変であると思う。
そのため、砲塔後部の箱状のものは薄い硬板製で弾薬の重みに耐えられるよう斜めに棒状の補強材がある。

また、地上に設置の短12cm砲のように弾薬装填用レールがあったのは間違いない。
狭い車内で床に格納された弾薬を持ち上げ装填用レールに載せたとも考えにくく、やはり車内には弾薬を格納
していないと考えるのが妥当であろう。

海軍の砲は、基本的に艦船搭載用のため地上に設置する場合でも固定式となる。
短12cm自走砲は移動できる砲と解釈すると移動するための方法として戦車を使い、 1つの砲班単位として
考えると自走砲に乗車した隊員以外にもその他の要員も多くいたはずで 弾薬車が随行していたと考える。 



狭い砲塔内ではあるが、砲の右側に車長、左側に射手と装填手の3名は必要である。
車長が射撃指揮と閉鎖機の開閉を行い、
射手は照準に集中する。
装填手は車外の砲手と協力し弾薬を装填する。

上図では砲弾と薬筒がセットされているが、実際は別々である。
砲弾を装填棒で奥まで挿入し確実に固定させ、次に薬筒を入れる要領となる。

砲塔後部の追加された箱形は固定レール保護用のもと推測する。
装甲が薄いため、ここに弾薬を格納するにはいささか危険と思われる。

砲塔内には2名(砲手・装填手)入るのが精一杯であり、砲手が車長を兼任していたと考えられる。
 2011年版
短12cm自走砲 写真
短12cm自走砲 CG復元
※ 短12cm自走砲は、97式中戦車改(初期の車体に新型砲塔搭載型)に短12cm砲を乗せた海軍独自の戦車
※ 砲塔部のマズルブレーキ(硝煙制退器)が特に大きく感じられる。

※ 弾薬の装填には砲を水平状態にし、弾薬装填、射角の付与しなければならないため発射速度は低かったと思われる。
  1分間に2〜3発撃てる程度と考えられる。
2011年8月22日制作中
短12cm自走砲 砲塔解剖図 短12cm自走砲 砲塔後部 想像図
2011年8月22日制作中 2010年12月23日
改造所  相模工廠? 改造数  数十両
乗員数  4名? エンジン  空冷V12ディーゼル170馬力
武  装  短12cm榴弾砲及び97式7.7mm車載機関銃×2
使用部隊  佐世保や横須賀の特別陸戦隊等
備  考   短12cm砲により車内は異常に狭さが感じられる。
 1式47mm戦車砲装備の新型砲塔よりも一回り大きめの砲塔ではなかったと推測している。
 91式10糎榴弾砲弾薬が全装弾量で16kg、96式15糎榴弾砲弾薬が全装弾量で36kgであり、12糎榴弾砲弾薬では20kgを越える重さであったと推測できる。
 この弾薬を狭い車内から装填するのは困難が予想される。
 そのため、砲への弾薬の装填は後部ハッチの外側から行われたのではないかと考えている。 

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