海軍 99式艦上爆撃機のコックピットを復元する。

1999年以前に制作した99式艦上爆撃機11型
1999年以前の99式艦上爆撃機11型計器板
 この分野では過去の定説・常識が1枚の写真発見によって覆ることは時々ある。
 99式艦上爆撃機11型の場合も同様の結果となった。
 2010年5月に99式艦上爆撃機のコクピット写真を数枚入手した。
 調査の結果、99式艦上爆撃機11型と判明した。
 その写真では機体の歪みや損傷が見られ、おそらく真珠湾攻撃で撃墜された機体と直感した。
 その写真資料を基に制作から10年の時を経ている11型の計器板を再度制作し直すことにした。
 決意させたのには旧作では羅針儀が92式2型としていたが、これは誤りのようであり正しくは
11型は航空羅針儀1型が取り付けられていたようだ。
 また、22型には
零式羅針儀2型が取り付けられていた。
 11型の羅針儀を92式2型としたのは、丸メカニックのイラストを参考に制作したからである。
 その時は特に違和感は感じられなかった。

 しかし、それを否定する資料は無く、しかも高荷義之氏の作画でもあり信頼性は高いと思われる。

99式艦上爆撃機11型計器(前期生産型)パネル
99式艦爆 計器板 説明図 99式艦爆 11型(前期) 計器板
No. 計 器 名 備 考 No. 計 器 名 備 考
1号速力計3型 - 15 電路接断器 -
旋回計2型 - 16 1号吸入圧力計2型 -
精密高度計2型 - 17 電圧回転速度計1型 -
真空計1型 - 18 不 明 -
水平儀1型 - 19 不 明  -
前後傾斜計2型 - 20 不 明 -
時 計 - 21 不 明 -
定針儀1型 - 22 急降下ブレーキ角度表示器 -
真空ポンプ切換コック - 23 混合比計 -
10 航空羅針儀1型 - 24 1号シリンダー温度計1型 -
11 注射ポンプ - 25 起動配電盤 -
12 2号耐寒油圧計1型 双針 26 消火バルブ? -
13 1号油温計1型 - 27 不 明 -
14 航路計1型 - 28 大気温度計1型 -
No 計 器 名 私 見
18 不明コック -
19 不明バルブ -
20 不明レバー 燃料ブースト握把
21 不明レバー 開閉レバー?
22 急降下ブレーキ角度表示器 4コの表示灯にしか見えない。
25 起動配電盤 蓋があり、銘板の注意書き有り
26 消火バルブ? -
27 不明バルブ -
残弾指数機×2 その位置には3コの不明部品

 この場において資料を見直すが、どの資料の説明も不完全である。
 本当にこれでよいのだろうか 。今見直す必要はないのだろうか。
 資料として後世に恥じるとこのないように、できる限り忠実に再現したいと
考えている。この分野においては私以外できる者はいないと自負している。
2010年5月20日
99式艦上爆撃機11型計器(後期生産型)パネル
99式艦爆 11型(後期)計器板 説明図 99式艦爆 11型(後期) 計器板
23混合比計に換えて排気温度計
2010年5月25日
99式艦上爆撃機22型計器パネル
99式艦爆 22型計器板 説明図 99式艦爆 22型 計器板
11型後期生産型と同じく31排気温度計を装備、交換・追加装備として10零式羅針儀1型、29作動油圧力計、30加速度計がある。
混合比計を排気温度計に変換したのは零戦でも行われていた。
2010年5月25日
99式艦爆11型コックピット(全体)

99式艦爆 11型(前期) コックピット
操縦席右側を復元
2010年6月4日 現在進行中
99式艦爆11型コックピット(偵察席)
99式艦爆11型偵察席
2010年6月7日
99式艦爆11型旋回銃架
99式艦爆11型銃架
99式艦爆11型の旋回銃架は銃と椅子が連動するブランコのような銃架であった。
この方法により俯仰(高低)角をとり、身体も同時に動くため上方への射撃が容易となった。
2010年6月7日
97式1号編流測定器1型 96式空2号無線機
97式1号編流測定器1型 96式空2号無線機
銘板文字判読不能 解読中
長波延長線輪
長波延長線輪
2010年5月28日 2010年5月27日
参考資料
 1 website「船津航空計器博物館」
 2 丸メカニック(高荷義之画)
 3 Japanese aircraft interiors 1940-1945 Robert C.Mikesh 
 4 世界の傑作機
 5 日本海軍航空隊 軍装と装備 佐藤繁雄/佐藤邦彦 
 6 その他website

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